前回はリクエストによりファミコン版『ヨッシーのクッキー』を紹介したが、引き続き同時発売のゲームボーイ版についても取り上げておきたいと思う。
『ヨッシーのクッキー』について簡単におさらいします。 こちらは任天堂の人気キャラクターであるヨッシーを主役としたアクションパズルの第2弾です。
画面内に敷かれたクッキーを移動させて、同じ模様のクッキーを一列に並べて消すステージクリア型のゲームよ。 雑然と並んだものを綺麗に片付けるのって、どうしてこう爽快なのかしら。
クッキーを列ごとスライドさせて並べ替える。
今回はゲームボーイ版とファミコン版を見比べて、違うところを確認していくことにしましょう。 まずは一人用のモードからです。
ヨッシーとマリオの共同作業。
パッと見てまず目につくのは、やっぱりヨッシーがいることかしら。
ファミコン版ではタイトル画面や幕間のデモにしか登場しなかったが、こちらではマリオと一緒にクッキーを操るようになった。 これはヨッシーファンには嬉しい変更だろう。
2人とも、ボタン操作に合わせてちまちま動くのが可愛いですよ(^^)
ファミコン版ではマリオ一人だった。
でも違うところはこれくらいで、他は特にないのよね。 フィールドの大きさも同じ8×8だしさ。
そこはわりと重要なポイントだ。 同様にファミコンとゲームボーイで同時発売された任天堂のパズルゲームには『ドクターマリオ』や『ヨッシーのたまご』があるが、 それらはゲームボーイの解像度の低さゆえゲームフィールドを狭めざるを得なかった。 それが難易度の上昇に直結してしまっていたんだ。
『ヨッシーのクッキー』では画面構成の工夫によりゲームフィールドの大きさを維持しており、どちらのハードでも違和感のないプレイ感覚を保っています。
できるだけハードの垣根を感じさせないようにしたかったんでしょうね(^^) ファミコン版をプレイした後そのままゲームボーイ版に移ってもすんなり遊べちゃうわ。
それともちろん、レベル11以降をプレイできる隠しコマンドも健在だ。 コマンドの内容は同じなので存分に腕を磨くといいだろう。
コマンドはレベル10クリア後のスタッフロールが終わったら表示される。
1人用がファミコン版と遜色ない仕上がりになっている一方、対戦モードは大きく様変わりした。 といってもルール変更があったわけじゃない。 また解像度の話になるのだが、さすがにゲームボーイで2画面を同時に表示することはできなかったんだ。
自分ひとりの画面しか見られなくなった。
見えているのは自分の画面だけで、対戦相手の状況はポイントゲージでしかわからなくなっちゃったのよね(^^;)
こうなるとヨッシークッキーの効果も意味合いが変わってきます。 例えば『SLAVE』は相手のクッキーを操作できる効果ですが、相手の画面が見えなくなったのであまり有用ではなくなりました(^^;)
お互いが見えないことにより、駆け引きの場はゲーム画面の中から外へと移った。 自然と声を掛け合って牽制するようになるんだよな。
それと地味にありがたい改善なんだけど、今のヨッシークッキーの効果が自分に有利なものか不利なものか一目でわかるようになったわ。
右上にいるキャラクターが自分に有利な効果なら〇、不利なら×と表示するようになった。
これは特に大きな変更点よ。なんとゲームボーイ版ではCPUと対戦ができるわ。 ゲームボーイの対戦プレイはハードルが高いから、これは嬉しいわね(^^)
対戦相手はお馴染みの3人。
対戦相手はヨッシー、ピーチ、クッパの3人から選べます。 こちらもお馴染みのメンバーですね(^^)
なぜファミコンではCPU戦が実装されなかったんだろうな。 1人用モードのメインに据えてもいいんじゃないか、そう思えるくらい楽しめる。 このモードで対戦の面白さを知った人もいるだろう。
ファミコン版は対人戦しかできなくて、練習がしづらいのよね。 友達や家族に負けないためにはこっちで特訓しておくのがいいかもしれないわ。
本作のゲームボーイ版は特に対戦が充実しています。 先に述べたCPU戦もそうですが、さらに特徴的なことになんと4人までの対戦が可能となっているんです。
え、そんなのできたっけ?(´Д`;)
またお前は…と言いたいところだが、その反応も仕方ないところではある。 ゲームボーイの通信対戦は大方2台だけでやるものだからな。
実は本作、4人用アダプタへの数少ない対応ソフトのひとつなんです。 対人戦に限りますがこれを使えば3人、4人で通信対戦ができちゃうんですよ。
これが4人用アダプタだ。
4人用アダプタ!Σ(゜□゜;) そんなものがあったのね!
しかし4人対戦にはアダプタの他に人数分のハードとソフト、その上アダプタと各ハードを繋ぐ通信ケーブルも必要になるため費用面での負担がやたらと大きい(´Д`;)プレイしたことがない人も多いだろうな。
全て揃えるのは大変だが…。
ハードルは高いですが、ここでしか体験できない面白さが確かにあります。 誰が何をしてるかわからないので、ヨッシークッキーを使うと場が程よく混沌とするんですね。
こうなると役に立たないと思われた『SLAVE』の存在意義も変わってくる。 イタズラとして使うには有用なんだよな。パーティゲームらしくワイワイ盛り上がれるぞ。
あ、それは面白そうかも。 単に勝ちを目指すだけじゃなくて邪魔に徹するプレイもできそうだわ。 お互いの画面が見えないのが良い方に作用してるのね。
環境を整えるのが大変なのですが、興味があれば是非やってみてほしいです(^^)
同時発売となったファミコン版とゲームボーイ版だが、どちらを選ぶかはプレイスタイルの好みで良いだろう。
1人用モードの内容はどちらも引けを取らないので、持ち運んで遊びたいかどうかで判断するといいでしょう。 対人戦がしたいのでしたら、ソフト1本で遊べるファミコン版がいいかもしれません。
手軽にCPU戦がしたいならゲームボーイ版がお薦めよ。 どうしても3,4人対戦がしたいというならゲームボーイ版一択になっちゃうけどね。
予算が許すならいっそ両方という選択肢もあるだろう。 それぞれの良さがあるから、どのように購入したとしてもきっと後悔はしないはずだ。
初稿:2021年8月13日
最終更新:----年--月--日